➋アルコール性肝障害
こちらは読んで字の如くお酒の飲み過ぎによるものです。適度なアルコールは体に良 いとされていますが検査で異常値が出るほどは飲んではいけません。アルコールを取 り過ぎるとアルコール性の脂肪肝を起こします。脂肪肝は肥満や糖尿病、むりなダイ エットなどでも起きます。さらに飲み過ぎるとアルコール性の慢性肝炎となり最後に はHCV、HBVの慢性肝炎と同じアルコール性肝硬変となります。脂肪肝にならない程度 の適度なアルコール量としては20g/dayで、日本酒なら1合程度、ビール大瓶1本程度 といわれています。よく「薄めて飲んでいるから大丈夫」と思っている人がいます が、エタノールの摂取量が重要なので注意してください。肝硬変になる前ならお酒を やめれば肝臓は元に戻ります。またアルコール依存症になるなど社会的にも問題に なっていますので十分注意してください。
➌非アルコール性 脂肪肝NAFLD(Non Alcoholic Fatty Liver Disease)
こちらはお酒を飲まない人がなる脂肪肝です。定義ではお酒を飲んでも前述の量以下というのが条件になります。健康診断で腹部の超音波やCTスキャンをするとすぐにわ かります。
メタボリックシンドロームが最近は話題になっていますが、メタボの肝臓 バージョンです。食べ過ぎなどで肝臓に中性脂肪が貯まりフォアグラのようになった 状態です。健康診断受診者の10%ぐらい、肝障害の原因の約30%といわれています。 一昔前「脂肪肝は症状もなく悪化はしない」と放っておいたのですが、最近NAFLDの 中の10%ぐらいに肝硬変に進展する病態があるのがわかってきました。
非アルコール 性脂肪性“肝炎”NASH (Non alcoholic SteatoHepatitis)です。HBV、HCV、アル コール性などと同じ慢性肝炎を起こし肝硬変、肝臓癌に進展していきます。メタボな人も多いのでダイエットや運動をしてバランスの良い食事をこころがけてください。
➍そのほか
自己免疫性肝炎、原発性肝硬変と言われる特殊な肝臓病、薬剤性、漢方薬やサプリメントでも起こしますので十分注意が必要です。