「慢性的な頭痛」
危険な病気ではありませんが、頭痛を慢性的に繰り返すものとして、次のようなものがあります。
(1)片頭痛
片頭痛は脳の血管が関与する頭痛で、「ズッキンズッキン」と脈打つような強い痛みが出ます。頭痛の頻度は1年に何回かといった程度から、多いと週に1~2回程度の方もいます。吐き気を伴うことが多く、また頭痛の程度が強いため、仕事や勉強を続けるのは難しく、寝込んでしまうこともあります。頭痛の前に見え方がギラギラしてきたり見にくくなったりなどの前兆があることもあります。頭痛がある時には、体を動かしたり、暖めたりすると、頭痛は悪化します。
(2)緊張性頭痛
緊張性頭痛は首や肩の緊張状態やストレスなどによって生じる頭痛で、後頭部や頭の周りを圧迫され締め付けられるような痛みが持続します。片頭痛と比べると、頭痛の程度は比較的軽めで、仕事が出来なくなるほどになることは通常ありません。体を動かしたり、暖めたりすると、頭痛は軽くなります。
(3)群発頭痛
群発頭痛は季節の変わり目などに、片方の目の奥などの激しい痛みが、連日一定の時間に繰り返し出現します。涙や鼻水といった症状を伴います。痛みは激しく、じっとしていられない程度です。
これらの頭痛では、程度が軽ければ、市販薬などで頭痛をコントロールしてもよいのですが、頭痛の頻度が多かったり、頭痛の程度が強かったりとコントロール不十分な場合には、それぞれに合った内服治療や対処法が必要です。
また、頭痛に対して痛み止めのみで対処していると、頭痛薬の飲みすぎによって頭痛を感じやすくなる状態になることがあります。これを「薬物乱用頭痛」と言います。頭痛薬の服用が、月に10回程度より多いと心配です。
頭痛外来では、危険な頭痛かどうかを調べ、慢性の頭痛の対処や治療の相談を行っています。頭痛の心配や頭痛でお困りの場合には、一度ご相談ください。